ゴーストハント2人形の檻、ポルターガイストが続発する洋館でナルたちは原因究明に奮闘します。なかなか原因がわからない中、原因かもしれない人形のミニーと8歳の少女礼美ちゃんの除霊を悪魔祓い師(エクソシスト)のジョンブラウンが行います。しかし悪霊は反発し、徐々にその姿を現します。悪霊にどう対抗していくのかナルたちの闘いがつづきます。
ゴーストハント、人形の檻のミニーと礼美ちゃんに憑いた悪霊をジョン·ブラウンが除霊
庭の四阿で誰かと話しているような礼美ちゃんに麻衣が話しかけます。「今、誰とお話ししてたの?ミニー?」礼美ちゃんは「ううん」と首を振ります。「じゃ誰かな?」と問いかけると礼美ちゃんは空中に視線を向けたまま「あ、行っちゃった」と応えます。麻衣は薄ら寒い不気味さを感じます。
この出来事の後、エクソシストの神父ジョン·ブラウンが悪霊が憑いた人形のミニーとともに礼美ちゃんを除霊します。除霊は成功するのですが、あくまで散らしただけの一時的なものでした。そしてぼーさんも除霊を行います。すると床が軋み壁を叩く音が激しくなり部屋全体が揺れ始めます。ぼーさんの頭上のシャンデリアが割れ欠片が降り注ぎます。部屋の温度は氷点下まで下がり、靄(もや)のようなものが漂い始めます。その靄が何人もの子供の頭のようなものになっていきます。ぼーさんを助けようと部屋に入った麻衣共々かろうじて部屋から脱出します。このあたりから不気味さが段々と増してきます。もし実写版になったらかなりの怖さにハラハラする場面です。
ゴーストハント、人形の檻に謎の井戸が出現、そして白い靄とともに子供の頭らしきものが。
ぼーさんが除霊したあと部屋の床板が裂けてその下に穴のようなものがあり、中を調査すると深さ2mほどの井戸が出現。ホラーで井戸と言うとリングの貞子をイメージしますがゴーストハント人形の檻でも井戸から霊が現れます。ただ貞子のようにほぼ実体のある霊ではなく靄(もや)のような、おぼろげな影のような悪霊です。ただ靄のようなものの中に白く子供の頭のようなものが何体も現れ渦を巻いて取り囲まれていくありさまは想像しても寒気がします。
ゴーストハント、人形の檻で麻衣が井戸に引き込まれる。そこで見た夢が事件解決の鍵
ポルターガイストが起こる洋館の過去の持ち主をナルが調べ、同時に危険回避のため礼美ちゃんと依頼主の典子さんはホテルへ。2人を守るためぼーさんとジョン、原真砂子は同行します。残った巫女さんの綾子と麻衣はもう一度井戸のある部屋を除霊しますが子供の悪霊たちに反撃され麻衣は悪霊たちによって井戸に引きずり込まれてしまいます。
井戸の中で麻衣は幻を見ます。時代はかなり昔、女の子が手毬遊びをしていてその女の子が男性に連れて行かれます。麻衣は行っちゃ駄目と叫びますが声は届きません。すると今度は井戸に手をかけ嘆き悲しむ女性が現れます。そして次の瞬間姿が消えます。麻衣は井戸に身を投げたんだと思い、その女性は連れて行かれた女の子の母親だと確信します。そこへナルが現れ「大丈夫」と微笑みます。この後、何回か幻の中でナルが現れますが、それは一つの伏線となっています。
ゴーストハント、人形の檻はナルが悪霊の正体解明し、偶人(ぐうじん)を使って浄霊する
ナルがポルターガイストの起こる洋館の持ち主を過去に遡って調べるうち原因がわかります。それはかなり昔に店をしていた一家が娘の存在が邪魔になり親類の誰かが娘を誘い出し殺してしまった事でした。娘の死を知った母親が失望の余り井戸に投身します。麻衣が幻で見たものと同じでした。娘の死が受け入れられない母親が娘と同じ年頃の子供をそばに置いておくため何年もの間、洋館に住む子供を死に追いやっていました。
ナルたちは子供たちの霊を操る黒幕の母親をおびき出す作戦をとります。一方向だけ結界の封印をとき、そこに子供たちの霊を集めぼーさんと巫女さんに除霊をさせます。残った母親の霊にナルは板でできた偶人を母親の霊に投げつけます。すると板は母親の霊の手の中で子供の形に姿を変えます。母親の霊はその子を抱かえて安心したように消えて行きます。偶人は本当の母親の子供ではありませんが探していた自分の子供だと思い安心したようです。映像では怖い場面なのですが,すごく仄(ほの))悲しい思いにさせられます。自分の子供を殺されその現実を受け入れられず洋館に引っ越してきた子供たちを求め続ける、霊だとしてもその切なさはわかる気がします。わが子を思い続ける母親の愛情が悲しすぎます。
これで怪異現象は解決され依頼主の森下典子さんたち家族は解放され新しい引っ越し先へと移っていきます。 事件が解決した後のある日、麻衣が働く渋谷サイキックリサーチ事務所にぼーさんや巫女さん、それにジョン·ブラウンが次々に訪ねてきます。特に用事があるわけでもなく事務所を喫茶店代わりに楽しそうに話が続きます。ナルは冷たく「ここは喫茶店ではないのだが」と迷惑そうな態度。それでも皆と今回の件での事を語らいます。何だかんだと言っても皆といるのはナルにとっては嬉しいのではないのかなと思ってしまいます。一緒に危ない状況に陥ったり意見を求めたりすることで段々と仲間意識ができていくストーリーかもしれません。でもこういう仲間は読んでいても自分の周りにいてくれたらなあと羨ましさも感じてしまいます。作者の小野不由美さんもキャラクター一人一人の個性がとても上手く描かれて素敵です。
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