ゴーストハント、人形の檻のポルターガイストの原因究明なるか?ナルや霊能力者たちの闘い

ゴーストハント人形の檻は前作、旧校舎怪談と同じくポルターガイストが続発する古い洋館で調査を開始したナルと谷山麻衣、そして霊能力者の協力者たち。しかし前作と違いポルターガイストが頻繁し、部屋の家具が全て逆を向いたり部屋が激しく揺れ動く状況に疑念を感じるナルたち。果たして原因はRSPK(反復性偶発性念力 )から起こったものか、それとも霊の仕業か?ナルと霊能力者たちの闘いが続く

ゴーストハント、人形の檻ではポルターガイストの原因究明にナルたちは悪戦苦闘。

ナルと谷山麻衣、リンさんたち渋谷サイキックリサーチのメンバーに霊能力者のぼーさんこと滝川法生と巫女さんの松崎綾子が原因を考えるも決め手に結びつくものがない状況。この洋館の住人森下家で起きている現象がRSPK(反復性偶発性念力、俗にいうポルターガイスト)なのか、霊現象か意見を出し合うところは中々専門的な用語や知識で語られていて奥深さを感じます。一般的に怪異現象イコール心霊現象と考えがちですが超能力に起因するものや単なる自然現象も考慮するなどミステリー的要素はふんだんに感じます。

なかなか原因がわからない中、8歳の礼美(あやみ)ちゃんの様子が変わっていきます。腕に引っかき傷やあざが出来ていたりフランス人形のミニーと話している様子もあり。義理の母親による虐待も疑いますが確証もなし。そして今度はお手伝いとして働いている柴田さんが火傷を負います。触ってもいないガスコンロが突然火を噴きます。その直後に麻衣が台所の窓に子供のような影を視ます。

義理の母親の香奈さんは礼美ちゃんだと思い本人に問い詰めます。礼美ちゃんが強く否定すると同時に香奈さんの脇にある大きな本棚が倒れ掛かります。立て続けに起こるポルターガイストや怪異現象に段々とスリル感が増します。これが映像化されたら結構怖さもあり、心霊現象は起きていないもののやっぱり霊の仕業では?と推理してしまいます。ゴーストハントシリーズでは基本ホラー小説なのですが単におどろおどろした怪談でなくその現象が起こる原因を突き止めていくミステリーもあり探偵役としてナルや霊能力を持つ協力者たちの推理がホラー小説の専門的用語を交えながら進んでいくところに犯人や原因を考える楽しさと怖さが味わえるこのゴーストハントシリーズの醍醐味です。

ゴーストハント、人形の檻の怪異現象は霊が原因! 麻衣が人形と話す子供を目撃 ぼーさんと巫女さんの除霊

ナルたちが原因を探っていくと礼美ちゃんか人形のミニーに霊が憑依している可能性があると考え、巫女さんがまず部屋で除霊をします。すると部屋が軋み、壁や天井を叩く音が。しかしそれきり何も起こらず。続いてぼーさんが人形の除霊を決行します。除霊後人形の入った段ボール箱を焚火の中に投げ入れ燃やします。直後、礼美ちゃんの部屋で一緒に寝ていた森下典子さんが体の上に子供らしきものが乗ってきたと助けを求めてきます。しかし、モニターには何も映っておらず横で寝ている礼美ちゃんの枕元には先ほど燃やしたはずの人形のミニーが座っていました。巫女さんがぼーさんに「人形は燃やさなかったの?」と聞くとぼーさんは「燃やしたさ。だが箱は燃えたのにミニーはいなかった」という。巫女さんもぼーさんも除霊は失敗。ナルは手ごわさを感じます。

巫女さんに「逃げる?」と聞かれ、「もし降参して逃げ出すのでなければ専門家を呼んだほうがいいかもしれない」と。巫女さんもぼーさんも「専門家?」「専門家って何よ?」と言い、ナルは「もちろん、悪霊憑き、悪魔憑きを落とす専門家だ」 あっ、と一同顔を見合わせます。そっか、いたんだ、本物の悪魔祓い師(エクソシスト)が。前作を読んだ私も読者の方もこれがどういう意味なのかがすぐにお分かりになられたと思います。ナルにも憑き物を落とすのは管轄外であり、そう考えると一人の人物が思い浮かびます。前作でも活躍した金髪の美少年神父ジョン・ブラウンです。

前作旧校舎怪談でおかしな関西弁を話しエクソシストとして活躍した金髪の若き神父ジョン・ブラウン。印象には強く残っているにもかかわらず作者小野不由美さんの意向で今回も登場するかどうかは到底わからないことであり、一回限りでその後登場しないことだって有り得ます。でも私も含め読者の方がゴーストハント2人形の檻をここまで読み進めていった時、キャラクターたちを取り巻く状況が誰かを必要としている、もしくは無意識に呼び求めているような設定へと考えられています。

小説の書き方に手法のようなものがあるのか私にはわかりませんが作者、小野不由美さんの読者の心と期待を湧き起こす小説手法?はテンションも上がりますし意外な感動的な思いで満たされます。何度も書いてしまいますが精神的に落ち込んだ時にこの作品を読んでワクワク感でテンションも上がり読んでいる間は落ち込んでいることを完全に忘れていました。それほどこの作品ゴーストハントシリーズは愛すべき作品です。

 

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