ゴーストハントシリーズでは小説を文庫本にしたのとアニメ化したものがあります。アニメ化したものは原作と時代背景が若干異なるところがありますが、ここでは文庫版について書いていこうと思います。まず、第1巻旧校舎怪談をいくつかに分けてあらすじと想いを書いてみます。
ゴーストハント旧校舎怪談 谷山麻衣の想いとナルの超悪い性格
ゴーストハントシリーズ第1巻旧校舎怪談では主要キャラクターが前半部分で次々と登場していきます。主人公の谷山麻衣とナルが最初に登場しますが、谷山麻衣の目線で物語が進められていきます。
15歳の女子高生、谷山麻衣が思い感じたこととして書かれているので若い人の感性がうまく表現されていますし、思春期にありそうな物事や社会に対しての未知故の恐れる心や人に対する感情表現もわかりやすく描かれています。
物語は谷山麻衣が友達3人と誰もいない夜の学校の教室で怪談話から始まります。4人が話す怪談話も定番ではあるけどゾクゾク感があり、ホラーミステリーの導入にはいい感じだと思います。
怪談話が終わった後に一人づつ数を数え4人全員数え終わった後に「5」と言う声が聞こえる不気味さもあって楽しめます。そしてその声を発したのがもう一人の主人公のナル(渋谷一也)です。
17歳で心霊調査研究所の所長と言う設定です。超イケメンで有能ですが性格はと言うと超悪い。言葉遣いはしっかりしてますが人を見下したり、気が進まない事は他のキャラクターに任せきりなところがあります。
さすがに現実にこういう人がいたら腹が立つと思いますが、小説の中では顔の良さとのギャップがあって魅力さえ感じます。
旧校舎怪談 谷山麻衣がナルの助手になる
旧校舎怪談では谷山麻衣が、興味本位で旧校舎に入ります。そこに据え付けられた高性能ビデオカメラを触ろうとした瞬間、ナルの助手であるリン(林興徐コウジョ)が「誰だ!」と叫びます。その声に驚き弾みで下駄箱を倒してしまい、ドミノ式で倒れた下駄箱によってリンが怪我をし、高性能ビデオカメラを壊してしまいます。
偶然が重なって壊れてしまったビデオカメラの賠償をナルから求められます。数千万円する賠償金を麻衣は払えるはずがありません。そこでナルは賠償金の代わりに助手として働くように仕向けていきます。
麻衣が助手として働くのをナルは会った時から考えていたのかもしれません。それは麻衣の身上がナルの身上と同じである意味同情していたのかもしれません。ただナルの性格上それを表には決して出さず憎まれ口を叩いて内心思っている事をカムフラージュしたのかもしれませんが。
ゴーストハント旧校舎怪談 谷山麻衣とナルの調査で怪異現象続出!
怪異現象が起こる旧校舎の調査を始めたナルと谷山麻衣ですが、怪異現象の原因が霊によるものなのか他に原因があるのか結論は先延ばしの状況。
そこに谷山麻衣のクラスの級長である黒田女史が現れ怪異現象は霊が起こしていると言い出します。旧校舎の2階の窓から人影が手招きしたのを見たとか女の子の霊が彷徨っているらしき事を口にします。
旧校舎怪談ではこの黒田女史がキーパーソンになりますが、物語中盤までは時々登場するつっけんどんな自称霊感少女になっています。
谷山麻衣のクラスメートも何人か登場しますが、交友関係が女子だけなのか、それとも高校自体が女子高なのかわかりませんが、男の子のクラスメートは登場しません。男の子のクラスメートも登場していれば物語も少し変わっていたかもしれませんが。
ゴーストハント旧校舎怪談 ナルはいったい誰?正体は?
谷山麻衣がナルの性格の悪さや見下す言い方にウンザリする中、ナル自身は自我意識が高く有能ぶりをしらっと口にします。そんなナルを麻衣はナルシストのナルちゃんと意識していきます。
クラスメートの女の子との会話でもナルの事を当初は渋谷さんと呼んでいましたがナルシストぶりがわかったときからナルと呼んでいます。
ある時、ナルとの会話で今まで渋谷さんと呼んでいたのをナルちゃんと口を滑らせてしまいます。それを聞いたナルが「今何と言った?」と聞き返します。麻衣はしまった!と思いましたが口ごもっていると、ナルは「誰からそれを聞いた?」と一見チグハグな質問をします。
麻衣は自分で付けたナルと言う愛称を誰から聞いたと言われても答えられず「ナルシストだからナルと言った。」とごまかします。だがナルは何故かそれで納得してしまいます。
このチグハグなナルの質問の仕方にナルの正体のヒントが隠されており、こういう小さな会話の中に伏線が張られているのも見逃せません。物語の終盤には張られていたいくつかの伏線が解き明かされていくのも作者の小野不由美さんの感性の良さだと感じます。
ゴーストハント第1巻旧校舎怪談のあらすじと感想、思いは次回も続けていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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